たまにはエンジニアリングな話。
今年の4月から業務アプリな仕事からインフラ系の仕事にシフトしてので、書いても問題なさそうな、かつ、特定の人には役立ちそうな情報なので、時々あげます。
仕事で会社にVDI(仮想デスクトップ環境)を導入しようと、色々検証中ですが、先日ひょんなことから、チャレンジャブルなことをしたのでログっておきます。
『64KbpsのWAN環境で仮想デスクトップは使えるのか』
とあることがきっかけでキャリアのIP-VPN網に64Kのデジタルアクセスで接続されている事業所で仮想デスクトップを使えないか、至急対応しなさいというミッションを受けて、色々検証しました。
結論から行くと、使えるけど他のシステムには影響しまくりなのでだめでした。という結果です。
但し、手元にはVMWare View 5.1(PCoIP)しかなく、Citrix XenDesktop(ICA)ではテストしてませんので、あくまで Viewでの話です。
チャンスがあれば、ICAでもやると思いますので、その時はまたアップします。
【PCoIP通信のチューニング】
PCoIPの通信のチューニング方法は、グループポリシーです。
対象のPCグループ作って、PCごとにグループポリシーを適用させます。
グループポリシーですので、gpupdateとかクライアントのログインし直しなどが必要です。
設定場所は以下の通り。
以下順に説明。
【Turn off Build-to-Lossless feature】 を有効化=Lossless状態にしない
多分非可逆圧縮のことだと思います。
【Configure the maxmun PCoIP session bandwith】でPCoIPの最大帯域を設定
ここで64Kを指定したいところですが、悲しいかな
最小値は104Kまでしか指定できないようです。
レジストリとかでできないか確認しましたが、出来ないようです。
最終的にはここで問題となります。詳細は後ほど。
【Configure the PCoIP session bandwith floor】でPCoIPの最低帯域を設定
Default は 0ですので設定不要ですが、セッションが切れる場合は設定したほうがよいケースがあります。
【Enable/disable audio in the PCoIP session】でオーディオを無効化します。
業務用のPCなら音は出さないと思うので、気にせず設定。
【Configure PCoIP image quality levels】で画像の品質を下げます。
Minimum Image Quarity:最低画質
Maximum Image Quarity:最高画質
Maximum Frame Rate:フレーム数(秒間のコマ数)
詳しい情報は以下に記載があります。
【検証設定値】
Turn off Build-to-Lossless feature 有効
Configure the maxmun PCoIP session bandwith 104
Configure the PCoIP session bandwith floor 30
Enable/disable audio in the PCoIP session disable
Configure PCoIP image quality levels
・Minimum Image Quarity 30
・Maximum Image Quarity 30
・Maximum Frame Rate 4
【検証結果】
検証設定はいくつか変更しましたが、ほとんど変わらず。
グラフはルータの5分間の平均アクセス量。MTRGで取得したものです。
業務中のため一定の利用があり、40K程度利用中ですので、残りは24Kしかありませんが、Viewを接続すると帯域いっぱい使い切って他のアクセスは一切できなくなりました。
24Kを使いきったわけではなく、ほかのセッションを抑え込んで目いっぱい使っている模様。他のユーザーからネットが使えないとクレームになったので即切ってました。
Configure the maxmun PCoIP session bandwith の制御が104Kまでしか落とせないので、64Kの回線だと可能な限り全部占有してしまうようです。
別の検証をした際には、この設定でログイン~通常のウェブサイトなどで80Kほど使用していました。
すべてViewだけなら、フローコントロールなどが効きそうですが、既存のネットアクセスなどがあるとUDPに押されてしまうようです。
結論:VM Viewではチューニングしても64kの回線では業務的には使えない
Citrix ICAではどうでしょうか? 別の機会に検証したいと思います。